「行政書士さんって、具体的にどんな仕事してるんですか?」
この質問、これまでに何度聞かれたかわかりません。
行政書士として日々活動していると、家族や友人、そして初めてお会いするお客さまからもよく聞かれる疑問です。
私自身も資格を取る前は、「行政に関する書類をつくる人?」くらいのぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。
でも実際に行政書士として現場に立ってみると、「これは行政書士じゃないと絶対にできない」という仕事が、確かに存在します。
今回は、そんな「行政書士の独占業務」と呼ばれる分野を、できるだけわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
3つの代表的な業務を中心に、実際の依頼事例や注意点なども交えてご紹介しますので、「行政書士に相談してみようかな」と思っている方にもきっと役立つ内容になっているはずです。
Contents
独占業務その①:車庫証明の取得手続き(自動車関連)
まず最初に紹介するのは、「車庫証明」と呼ばれる手続きです。
これは、自動車を所有・使用する際に「ちゃんと車を停める場所(車庫)がありますよ」ということを証明するために、警察署に提出する書類のこと。
特に引っ越しや車の購入時などには、この車庫証明が必要になることが多く、書類の準備や申請手続きに時間がかかるため、多くの方が代行を依頼されています。
ここでポイントなのは、この車庫証明の申請手続きを有償で代行できるのは、行政書士だけだということです。
私も、ある不動産会社から「お客さんが引っ越すので車庫証明をお願いしたい」とご依頼いただいたことがあります。
そのときは、現地に行って配置図を作成し、必要な添付書類を揃えて警察署に提出し、無事に証明書を受け取りました。
こういった作業はディーラーさんや不動産業者さんではできません。
つまり、この「車庫証明業務」は、まさに行政書士にしか許されていない“独占業務”のひとつなんです。
独占業務その②:補助金・助成金の申請書類の作成と提出
次にご紹介するのが、補助金や助成金に関する手続きです。
コロナ禍や物価高などの影響で、国や自治体からの支援を受ける企業・個人が増え、補助金の申請ニーズも一気に高まりました。
でも、申請の書類ってすごく複雑で、「どこに何を書けばいいのか分からない」「要件に合っているか不安」といった声をよく耳にします。
そんなときに頼りになるのが行政書士です。
ここでも注意が必要なのは、補助金の「申請書を作成して提出する」ことを有償で代行できるのは行政書士だけという点。
中には、行政書士の資格を持たずに「補助金申請代行します!」と堂々と宣伝している業者もありますが、それは法律違反にあたる可能性があります。
私の元にも過去に「他の業者にお願いしたら書類を適当に作られて不備が出てしまった」と相談に来られた方がいました。
その結果、補助金を受け取れなかったばかりか、返金を求められる事態になってしまったんです。
補助金の申請は、書類の正確さが命です。
そして何より、信頼できる資格者に依頼することが、トラブル回避の第一歩になります。
もちろん補助金の種類によっては、行政書士以外の士業(税理士や社会保険労務士など)でも対応できる部分がありますが、基本的な申請業務に関しては行政書士が中心的な役割を担っています。
独占業務その③:営業許可の取得手続き
最後にご紹介するのは、営業許可に関する手続きです。
たとえば「バーを開業したい」「飲食店を始めたい」「旅館やホテルを経営したい」といったとき、それぞれの業種に応じた営業許可が必要になります。
この営業許可を取得するための申請書類を作成し、行政機関に提出する業務。
これもまた、行政書士にしかできない仕事なんです。
特に警察署や保健所への手続きは、細かい要件や図面の添付が必要で、一般の方が自力でやろうとするとかなり大変です。
私も過去にバーの営業許可をお手伝いした際、保健所から「平面図が足りない」「構造変更が必要」など、何度もやり取りが発生しました。
それらをすべて窓口として引き受け、最終的に許可が下りたとき、お客様が本当に喜んでくださったのが印象的でした。
しかも、許可を取った後にも「条件変更の届出」や「更新手続き」など、フォローが必要な場面は多々あります。
そうした長期的なサポートも含めて、行政書士に任せておくと安心です。
行政書士の仕事は“広く深く”
ここまでご紹介した3つの分野は、いずれも行政書士の独占業務。
つまり、行政書士の資格を持っていないと、業として代行できない業務です。
でも行政書士の仕事は、それだけにとどまりません。
実は「契約書の作成」「内容証明の送付」「遺産分割協議書の作成」など、他の士業と重なりそうな分野でも行政書士が活躍している場面があります。
もちろん、訴訟に関することや税務申告など、他の士業しか扱えない業務もありますが、それでも行政書士は本当に幅広い領域でサポートが可能な資格なんです。
そのため、「この相談って行政書士にしていいのかな?」と迷ったときは、まずは気軽に相談してみてください。
必要に応じて、弁護士さんや税理士さんなど、他の専門家と連携して対応していくことも可能です。
まとめ:行政書士に相談する前に知っておきたいこと
行政書士は「書類の専門家」として、個人や企業のさまざまな悩みに寄り添い、現実的なサポートを提供できる存在です。
今回ご紹介したように、
- 車庫証明(自動車関連)
- 補助金・助成金の申請
- 各種営業許可の申請
といった分野では、行政書士の資格がなければ手続きの代行はできません。
だからこそ、正しい知識と信頼できる専門家の力を借りることが、スムーズな手続きとトラブル回避につながります。
もしも今、何かの手続きで困っていたり、相談先に迷っているなら、ぜひ一度行政書士に声をかけてみてください。
きっと、あなたの力になってくれるはずです。
このブログでは今後も、「行政書士って何をしてるの?」「どんなときに相談すればいいの?」といった疑問に答える記事を更新していきます。
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