こんにちは。行政書士の貞夫です。
今日は、私が実際に登録・開業した経験をもとに、「司法書士」と「行政書士」の登録・開業にかかる費用について、詳しく比較してみたいと思います。
ネットや資格学校では「〇〇円くらいかかる」とよく言われますが、実際にやってみると「えっ、そんなに!?」とか「意外と安いな」と思う点もいくつかありました。
今回は、京都で登録した際の実体験をもとに、費用の内訳や違い、研修制度、登録審査の厳しさなども含めて、できるだけ詳しくまとめました。
「司法書士と行政書士、どっちの資格を目指そうか迷っている」という方にもきっと参考になる内容になっていると思います。
それでは、いってみましょう!
Contents
行政書士の登録費用はおよそ30万円
まずは行政書士からです。
私が行政書士として登録した時に実際にかかった費用は、ざっくり言うと約30万円ほどでした。
この30万円には、以下のようなものが含まれていました:
- 登録料
- 入会金(支部への加入)
- 月会費(6か月分ほど前払い)
- バッジ(徽章)
- 看板の作成(※京都の場合)
私が登録した県では、登録と同時に行政書士としての「表札=看板」が支部から支給されるのですが、これがなかなか立派で、登録名(例:「〇〇行政書士事務所」)が入っています。
これがセットで用意されるのも、他の地域ではあまりない特色かもしれません。
開業初期は何かと物入りですので、この30万円という金額は「安くはないな…」というのが正直な印象でした。
司法書士の登録費用は意外とリーズナブル?
一方、司法書士の登録費用についてですが、なんと7万円以下と言われています。
もちろん地域によって多少の違いはあると思いますが、それでも行政書士の登録費用と比較すると、20万円以上の差があります。
登録料の内訳も比較的シンプルで、支部費や入会金があっても、全体的に抑えられている印象でした。
月会費の違いにも注目!
さて、登録時の初期費用だけでなく、毎月かかる「会費」についても比較してみましょう。
● 行政書士の場合(京都)
私が登録していた当時は、毎月8,000円の会費がかかっていました。
これは京都府行政書士会に納める金額です。
会報誌の発行や会の運営、イベント・研修などの費用に充てられています。
月額8,000円というのは、他の士業と比較すると平均的なラインかと思います。
● 司法書士の場合(京都)
こちらはなんと、月会費が約19,000円。
ほぼ2万円ですね。これはなかなか高額です。
もちろん、各種研修や単位管理、団体保険、支部の活動費などに使われているとは思いますが、月々の固定費としてはやや重たいと感じる人もいるでしょう。
この部分では「司法書士の方が圧倒的に高い」と言えます。
研修制度の違いが大きい!
費用だけでなく、開業にあたって必要な「研修」についても両者には大きな違いがあります。
● 行政書士には必須の研修がない
行政書士の場合、入会時に研修を受けることは“任意”です。
もちろん受けておいた方がいい内容なのですが、法律で「必須」と定められているわけではありません。
そのため、登録すればすぐに実務を始めることも可能です。
この自由さが、行政書士の魅力の一つと言えるかもしれません。
● 司法書士には義務的な研修が多数!
一方で司法書士になるには、登録後にいくつかの「必須研修」が待っています。
- 新人研修(単位制)
- ブロック研修
- 特別研修(※希望制だが一部業務に必須)
すべてを合わせると、費用は20万円近くになることもあります。
さらに、司法書士には「継続研修制度」があり、毎年法律・倫理などの分野で所定の単位を取得しないといけません。
この点では、資格取得後も常に学び続ける姿勢が求められるのが司法書士の特徴です。
行政書士の登録審査はめっちゃ厳しい!
ここが個人的に一番驚いたポイントなのですが、行政書士には「登録審査」があります。
しかもこれが、なかなか厳しい。
たとえば:
- 登録予定の事務所に、支部長が実際に訪問してチェック
- 事務所内の配置が、提出した図面通りかを確認
- パーテーションの有無や、FAX機の位置まで確認
- 自宅開業の場合、事務所スペースとの明確な区切りが必要
正直、「ここまで見られるのか…」と驚くほど詳細に審査されました。
写真も撮られるし、支部長さんとのやりとりも緊張感がありました。
一方で、司法書士の場合、そうした物理的なチェックは一切ありませんでした。
登録書類を提出すれば、特に事務所訪問のような審査はなく、スムーズに登録できた印象です。
この点でも、行政書士の登録は「形式面でのハードルが高い」と言えるかもしれません。
結局どちらが「お得」なのか?
ここまで読んでくださった方の中には、「じゃあ結局、どっちが開業コスト的にお得なの?」と気になる方もいるでしょう。
結論をまとめると、以下のようになります。
比較項目 | 行政書士 | 司法書士 |
---|---|---|
登録費用 | 約30万円 | 約7万円 |
月会費 | 約8,000円 | 約19,000円 |
入会時研修 | 任意・費用ほぼなし | 必須・20万円前後 |
継続研修 | なし(希望者のみ) | 単位制で義務あり |
登録審査 | 厳しい(訪問あり) | なし(書類審査のみ) |
初期費用としては行政書士の方が高く感じますが、長い目で見ると月会費や継続研修のコストも考慮すべきです。
まとめ:どちらを選ぶかは“ライフスタイルと目的”次第!
行政書士と司法書士、どちらにもそれぞれのメリット・デメリットがあります。
開業費用や運営コストの差だけで判断するのではなく、最終的には「どんな業務をやりたいか」「どのくらいの覚悟と時間をかけられるか」など、ライフスタイルや目的に応じて考えるのが良いと思います。
いずれにしても、士業というのは「資格を取ったらゴール」ではなく、そこからがスタート。
ぜひ、自分に合ったスタイルで充実した士業ライフを築いてくださいね。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!