こんにちは、行政書士の貞夫です。
今回は少しマニアックかもしれませんが、行政書士バッジのあれこれについて、皆さんにご紹介したいと思います。

一見地味だけど、実は奥が深い。
行政書士のバッジには、ちょっとしたこだわりや地域ごとの違い、さらには補助者バージョンまで存在するんです。
そんなバッジの魅力や制度の裏側まで、私自身の体験を交えてご紹介していきます。


行政書士バッジってどんなもの?

まずはこちらをご覧ください。
正式名称は「行政書士記章」といって、真ん中に「業」の文字があり、それを囲むようにコスモスの花びらがデザインされています。

なぜコスモスなのかというと、「秩序」「調和」「真心」などの花言葉が、行政書士の職業倫理とマッチしているからなんだとか。
見た目は可愛らしく、最初に見たときは「これがバッジ?」と驚いたほどです。

このバッジ、実は都道府県ごとに扱いが少し違っていて、私のいる愛知県では入会時に購入するスタイルでした。
中には、最初の1個は無料でもらえるという地域もあるそうですよ。


ピンタイプとネジ式がある?装着スタイルもさまざま

バッジの取り付け方には「ピンタイプ」と「ネジ式」があります。
私はピンタイプを使っていますが、実際にはバッジを日常的につけている行政書士の先生は少数派かもしれません。

そもそも業務中に着用義務があるとはいえ、ジャケットを着ないことも多いし、場所によっては目立たせたくない事情もあるようです。
また、バッジの見た目や装着感から、装着を避ける先生もいらっしゃいます。


色の違いが意味するもの

行政書士会の役員を務めている先生方の中には、金色ではなく銀色のバッジをつけている方がいます。
最初は「長年続けてるから、色が変色したのかな?」なんて思っていたのですが、実際には銀色の記章が存在するようです。

これはどうやら「役員用」または「登壇用」の記章として配布されているとのこと。
ネット上でも銀バッジを見かけることがありますが、なかなか入手困難です。

実際、私はこの銀バッジを手に入れたくてネットを調べたのですが、一般には販売されていないようです。
中古市場でもほとんど出回っておらず、希少性が高いのは間違いありません。


バッジに刻まれている文字について

弁護士や税理士のバッジには、個人番号や登録番号などが刻印されていますが、行政書士のバッジにはそれがありません。
表面には「行政書士 記章」などの文字が入っているだけ。

つまり、このバッジはあくまで「職業としての証」ではありますが、個人を特定できるような情報はないのです。

そのため、万が一バッジをなくしてしまっても、誰のものかを特定することは困難。
だからこそ、ヤフオクやフリマアプリなどで、まれに行政書士バッジが流通しているという問題も出てきます。


補助者バッジの存在とは?

実は、行政書士には「補助者制度」があります。
これは、事務所で一緒に働く職員や家族、アルバイトなどを行政書士会に届け出ることで、「行政書士補助者」として登録できる制度です。

そしてこの補助者にも、専用の会員証とバッジが配布されます。
見た目は通常のバッジに似ていますが、真ん中の文字が「補助」の字をアレンジしたものになっているそうです。

もちろん補助者は行政書士試験に合格していなくてもなれるため、無資格でも登録可能。
つまり、コスモスのバッジを見かけたからといって、全員が行政書士とは限らないのです。

これはちょっと驚きですよね。


実際の装着義務について

行政書士法に基づく規則では、「業務中は記章を着用すべし」となっています。
ですが実際はどうかというと、ほとんどの行政書士が日常業務でバッジをつけていません。

理由は様々で、邪魔だから、スーツを着ないから、忘れたから…などなど。
また、出張相談やラフなスタイルの現場では、あまりにもバッジが浮いてしまうという声も。

一方で、信頼感を与えるため、あるいは身分証明としてあえてつけている先生もいます。
このあたりは個々の判断に任されているようですね。


行政書士バッジが欲しい人へ

「行政書士バッジ、かっこいい!」と思って手に入れたくなった方もいるかもしれません。
ですが、これはあくまで業務用の証であり、一般販売はされていません。

入手するには、まず行政書士試験に合格し、各都道府県の行政書士会に入会する必要があります。
つまり、正規のルートを経ないと手に入らない、ちょっと特別なアイテムなんですね。

そして補助者としてバッジをつけたい場合は、行政書士会への届け出と登録が必要です。


まとめ:バッジに込められた想い

行政書士のバッジは、ただの装飾品ではありません。
そこには、職業としての誇りや、社会的信用、そして法的な責任が込められています。

金色の輝きや、コスモスの花びらのデザインには、行政書士としての理念が反映されています。
また、補助者制度や銀バッジの存在など、意外と奥が深く、知れば知るほど面白い世界です。

これから行政書士を目指す方、すでに活動している方、あるいは単純に興味を持った方。
ぜひこのバッジの裏側にも目を向けて、行政書士という職業の奥深さを感じてみてください。